井戸端剣道会議

~雑談から居酒屋でのマジ話まで~

剣道の稽古前、一人稽古時のチェックポイントに優先順位を付けました

わたしが考える剣道の重要ポイントをTwitterで固定ツイートにしてまとめています。

 

目に見えるところに置いておけば意識しやすいですし体系立てて注意事項を書いておけば、意識する優先順位がわかるというメリットがあります

 

 

剣道はこの体系立ててというのが難しい。

地稽古でご指摘を頂いていも断片的なアドバイスになりやすいので、そこを直しても根本的な解決にならないことも多いかもしれません。

例:「姿勢をまっすぐにしなさい」といわれて胸を張るように意識をしても、そもそも面の付け方が悪かったり、膝が折れていたりなどが根本の原因だったりして中々姿勢が良くならない。

 

なので、わたしは必ず打つことよりも足のことよりも、先に構えから自分の剣道を確認するようにしています。

 

下記に書かれているチェックリストは随時変わっていきますが、書かれているものから順番に意識をしていくことが大事、という見方になります。

 

以下はわたしが気にしている剣道のポイント一覧です↓

構えのチェックリスト

☑︎左拳は自分の臍前

☑︎右人差を出して薬、小指で支える

☑︎右つま先は相手に向ける

 

打突前チェックリスト

☑︎前進は左、後退は右足で送る

☑︎打つ時は体を前に出すだけ

☑︎一歩出る時は勝った時だけ

 

仕上げのチェックリスト

☑︎打ち切るために相手と繋がる

☑︎稽古中は上記を一切考えない

 

 

 

 

 

構えのチェックリスト

☑︎左拳は自分のヘソ前にあるか

一般的には自分の拳を1個分ほど離したところを左拳の定位置とするのが無理無駄がないと言われています。

 

つい、打つ気持ちが強くなりすぎると左拳が自分の体から離れてしまい

・肘が伸びきった構えになってしまう=手の内が効かない

・脇が開いてしまう=打突が前ではなく上空を捉える、いわゆる”抜け手”になりやすい

 

何をするのも難しくなってしまうので注意が必要。

 

なぜ左拳がヘソ前にあると攻めが伝わりやすいのか

まず、左拳が離れていると肘が伸びたり脇が開いたりで単純に強くなさそうです。

これはもう一目瞭然だと思いますので、相手が「イケそう」と思える要因を自ら作ってしまっています。

 

もうひとつ、相手の竹刀を抑えたり払ったりする時に脇や肘の使い方に問題があると腕力だけしか使えません

一方、拳が収まっていると自然と体全体で竹刀を使いやすくなりますので、怪力自慢でなくても竹刀に重みが加わりますし、これが相手に「「やばっ」と思わせる攻めにつながると考えています。

 

 

☑︎右人差し指を前に出して薬・小指で握れているか

一般的には雑巾を絞るように、と言われます。

が、雑巾を↓こんな絞り方をイメージしてしまうと親指や人差し指の付け根に力が加わってしまい、手の内が効きません。

いわゆる「クソ握り」です。

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上記のような握り方になっている方は、稽古後に「合谷」と呼ばれるツボ付近がめちゃめちゃ痛いと思います。

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人差し指を前に出すとは

↓のように人差し指を前に出す握り方をすると自然と薬指と小指に力が伝わり、無理なく構えられます。本来の雑巾の絞り方もこのような形が正しかったそうです。

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ところが小手をつけているとどうしても手の中は↓のような握りになりがちなので、小手をはめても↑のように握れているのか素振りをすることも非常に重要です。

小手をはめる急に感覚が違ってしまう原因はこいつだと思っています。

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☑︎つま先は相手を向いているか

一般的には太ももの内側に意識を寄せ、ほんの少しだけ足の親指を相手に向けるようにすると良いと言われます。

 

これができないと突きが外れやすいです。

つま先が一ミリでも外を向いていると、その足を前に出せば出すほど体は外に逃げていくことになります。

 

突きが外れやすいということは、打突する直前の剣先の威力が削がれているということになり、相手は怖くないということになります。

社会人の稽古で突きを出すタイミングは無いと思いますが、剣先の威力を確認するためには必要になってくると思います。

 

 

 

 

 

と、わたしが構えで意識しているのはこの3つですが、まずはこの3つがしっかりできているかを確認してから次のチェックポイントに進んでいます。

こうすれば、剣道特有の「今日は全然ダメだった、あれっ、面打ちってどうやるんだっけ?」というくらいの調子の悪さは回避できると思います。

 

上記はわたしの中のチェックリストなので、別の人だと

・膝が曲がっていないか

・素振りの時にまっすぐ振り上げて振り下ろしができているか、

 

などもあると思います。まずは構えが大丈夫か、を確認することが大事だと考えています。

 

 

打突前までのチェックリスト

☑︎前進は左足、後退は右足で送っているか 

当然のことを言っていますが、軸足を意識しているか、ということですね。

これが出来ていない人は、素振りの時に1秒止まるのが苦手だと思います。

 

素振りはついリズムで行いがちで足に力が入っていないことが多いです。

突然「止まれ!」と言われた時に止まれない人は軸が前に後ろに動いているから=下半身に力が入らないので打突が弱いということになります。

 

 

☑︎打つ時は体を前に出すだけ 

これはいま試行錯誤している段階なんですが、本当に良い打突が出た時は足で飛んでもいないし、竹刀を振っている感覚もないんですよね。ただ前に出しただけ。

 

これは「結果的に」だと思うんです。構えも良くて攻めも効いていて自分のベストな間合いから打突をしていて、という結果だと思うんです。感覚で言えば手を前に出しただけで足は出している印象も無いのですが、ここは研究中のため詳細は省きます。

 

私の中で課題になりそうなのは自分のベストな間合いに入れたかどうかだと考えています。そこで次のチェックポイント。

 

☑︎一歩入る時は相手に勝っているか(基本的に)

自分の間合いに入りたいあまりに簡単に間合いを詰めちゃうのが悪いクセ。

基本的に剣道の仕組みは

⇨一歩入る

⇒相手が打ってきたら応じ技

⇒自分の間合いまで入れたら仕掛け技

⇒攻めが拮抗していたら崩し技

だと思っています。

 

ということは一歩入ったら相手はいつ打ってきてもおかしくないので、自分が負けている時に入ることは自爆になるわけです。この辺りを勢いでやってもいけない。

 

(基本的に)と書いたのは自分の間合いに入るまでの段階で攻め勝っていればズカズカと間合いに入り込んで、攻め崩しの必要などなく打ち込めるからです(ちょっと言い過ぎですが)。

 

 

 

仕上げのチェックリスト

☑︎打ち切るために相手と繋がる 

100%以上の出し切った打突をするためには、これまでの工程をしっかり踏むことも大事ですが、相手がどんな気持ちでいるのかを視ている必要があると思います。

 

打ちたい・守りたい・応じたい・安全に打ちたい・どうしたら良いのかわからない…

 

この気持ちがわかれば繰り出す技も変わってきます。

 

余談ですが、剣道は対人競技、対人競技にスランプは存在しないと思っています。その理由はまたのちほど。

 

 

☑︎稽古中は上記を一切考えない

 結局、これまでの内容を地稽古の間に意識するのはほぼ不可能ではないかと。

であれば、無意識にできるまで練習するしかない。社会人が無意識の域に達するためには一人稽古しかないと思っています。なので、Twitterで自分の一人稽古の内容はつぶやくことにしています。

 

面を着けた稽古は一人稽古の成果を確かめる場。もちろん一人稽古で全てを補うことは出来ませんが、わたしは一人稽古を続けていくだけで試合にも勝てると思いますし昇段審査にも通用するようになると思っています。

 

 

まとめ

実は、以前から剣道には教科書があるようでない、と思っていました。剣道は動きが複雑すぎるので、根本を直していかないと、部分的に直しただけでは成果が目に見えづらい。なので順序立てて学ぶことが大事だと思っています。

 

が、それが難しい。

どうしても、周囲はその時に気になったことをアドバイスするしか無く、であれば、自分が剣道を体系的に理解して、自分に必要な根本を直すしか、本当の意味で剣道は良くならないと考えています。

 

わたしも今でも剣道を体系的に理解しきれていないですが、こうして剣道の教科書作りをすることで自分の剣道も良くなると信じ、今回のチェックリストを作った次第です。